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現地レポート

大会1日目 男女1回戦 「悔恨と収穫、それらを力に変えて」 RSS

2016年7月31日 23時23分

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 「平成28年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会 第69回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が開幕。大会初日の本日は男女の1回戦が行われ、男子の昨年度優勝校、宮城・明成や女子の昨年度準優勝校、岐阜・岐阜女子などが2回戦進出を決めました。

 一方で2年前の男子優勝校である福岡大学附属大濠、昨年度のウインターカップ準優勝校の茨城・土浦日本大学が早くも姿を消す波乱もありました。

 男子1回戦、神奈川・桐光学園に86-97で敗れた福岡大学附属大濠の片峯 聡太コーチは「第1ピリオドがすべて」とゲームを振り返ります。前かがりに攻めてくる桐光学園の勢いを防ぎきれず、攻めてもどこかリズムに乗りきれず、第1ピリオドを終えた時点で9-30のビハインド。何とか立て直しを図りましたが、桐光学園のポイントガード#5新田 嵐選手の緩急をつけたゲームコントロールが冴え、なかなか影を踏ませてもらえません。第4ピリオドには一時30点以上離れた点差を10点差近くにまで詰めましたが、最後まで追い抜くことはできませんでした。片峯コーチも「第4ピリオドのバスケットを第1ピリオドから出すつもりだったのですが……やはり全国で1勝をするのは難しいことです」と、昨年のインターハイ、ウインターカップに続く初戦敗退に、改めて全国大会の厳しさを痛感していました。

 前夜、「第24回FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会」の準決勝、男子U-18日本代表チームがレバノンを75-59で破り、26年ぶりに決勝進出。同時に、来年開催される「2017 FIBA U-19男子バスケットボール世界選手権大会」の出場権を獲得しました。その男子U-18日本代表チームには福岡大学附属大濠の選手が3名も入っており、試合前には「U-18日本代表の仲間たちに続こう」と声をかけていました。しかしそれは叶いませんでした。

終盤、積極性を出した福岡大学附属大濠#14兒玉 修選手

終盤、積極性を出した福岡大学附属大濠#14兒玉 修選手

 ゲームキャプテンの#4兒玉 修選手は「昨夜(U-18日本代表の)西田(優大)と連絡を取って、『お互い勝って、広島で会おう』と話していたので、申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、西田たちがいなかったことが敗因ではありません。彼らがいないことを想定して、1か月以上練習もしてきましたから、それは関係ありません」とキッパリと言います。それは同じく初戦で敗れた土浦日本大学や、大阪・近畿大学附属、北海道・札幌日本大学も同じ思いでしょう。

 そのうえで#4兒玉選手は「昨年からの課題であるゲームの入り方が、今年もまだ克服できていませんでした。僕自身、もっと積極的に攻めるべきだったのですが、相手の出方やチームメイトの調子を見すぎてしまいました。思いきりが足りなかったです。また昨年のチームを経験している選手が僕しかいないなか、昨年、全国大会で1勝もできていないことが周りのみんなには『今年こそ勝たなければ』というプレッシャーになっていて、その緊張を僕がほぐしてやれなかったことも悔やまれます」と唇を噛んでいました。
 「ただ最後の最後にゲームを修正できたことは収穫だと思います。ゲームのなかでの修正能力はついてきていると思うので、それだけにやはり課題であるゲームの出だしをしっかりと克服したいと思います」
 福岡大学附属大濠のインターハイは終わりましたが、その分、ウインターカップ予選に向けた時間は多くあります。福岡大学附属大濠はこのまま終わるチームではありません。彼らの巻き返しに注目したいと思います。

 また、女子の1回戦、地元・広島の先頭を切って登場した県立広島皆実は77-57で岩手・盛岡白百合学園を下し、2回戦進出を決めました。試合終了後、村井 幸太郎コーチは「地元の応援を力にしようと話していたのですが、それが逆にプレッシャーになったようで、本来の力が出しきれませんでした」と少し不満そうな顔をしていました。それでも後半になると少しずつ広島皆実が得意とする厳しいディフェンスが出始めて、盛岡白百合学園を振り切りました。

真の大黒柱に成長してきた県立広島皆実#6三間 瑠依選手

真の大黒柱に成長してきた県立広島皆実#6三間 瑠依選手

 県立広島皆実のセンター、三間 瑠依選手は6月に行われた「2016 FIBA U-17女子バスケットボール世界選手権大会」に出場した女子U-17日本代表チームのメンバーです。その大会を経験したことで「ラリーについてくるようになったり、フィジカルも強くなってきました。そして何よりもチームメイトに声をかけられるようにもなってきました。そうした精神的な強さがチームの強さになっていると思います。頼りがいのあるセンターになってきました」と、村井コーチは三間選手の成長ぶりを認めます。

 三間選手自身も世界選手権での経験は大きいとしながらも「ただ世界選手権から戻ってきて、インターハイまでの期間はチームとうまく合わずに、コーチに怒られてばかりでした。だから、いなかったブランクを埋めるためにもインターハイでは自分がチームを引っ張ろうという気持ちでやっています」。2年生センターに引っ張られたチームは、決して彼女の得点だけではなく、アウトサイド陣が思い切りのよいシュートを決めることで勝利を掴み取りました。

 「今日はサッカー部が応援に来てくれて、その応援に応えなければと思ってプレイをしました。プレッシャーになっていた選手もいるかもしれませんが、私はそれを力に変えることができました」
 村井コーチのコメントの上を行く三間選手のメンタルの強さが、今日の勝利を呼び込んだと言ってもいいでしょう。
 広島県勢は女子の県立広島皆実を除く3校がいずれも初戦で敗退しました。明日からはその3校の分も背負って、それをさらなる力に変えられるか。地元の意地を見せ続けてもらいたいところです。

 大会2日目の明日8月1日(月)は男女のシード校が登場し、よりハイレベルなゲームが予想されます。
 課題もたくさん見つかるでしょうが、それこそがインターハイに出場したチームだけが得られる収穫でもあります。明日も思い切りのよいプレイを期待したいところです。

チームの結束が問われるインターハイ2016(写真は神奈川・桐光学園)

チームの結束が問われるインターハイ2016(写真は神奈川・桐光学園)

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