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現地レポート

大会3日目 男女3回戦 「スーパールーキー、女王に挑む」 RSS

2016年8月2日 22時52分

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 「平成28年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会 第69回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の3日目は、男女の3回戦が行われました。女子の第3シード、愛媛・聖カタリナ学園が岐阜・岐阜女子に敗れた以外、男女の上位4シード校はそれぞれ勝ち上がり、明日の準々決勝に向かいます。

 女子の第1シード、愛知・桜花学園は、目下インターハイ4連覇中の、いわゆる“女王”です。その桜花学園に挑んだ東京・八雲学園は序盤のシュートチャンスに決めきれず、リズムに乗れないまま59-83で敗れました。そのなかで両チームトップの22得点をあげたのが八雲学園の1年生、奥山理々嘉選手でした。U-17女子日本代表として「2016 FIBA U-17女子世界選手権大会」にも出場した180センチのオールラウンダーは、その名に恥じない活躍でチームを引っ張っていました。

180センチながら3ポイントシュートも打てる八雲学園#5奥山理々嘉選手

180センチながら3ポイントシュートも打てる八雲学園#5奥山理々嘉選手

 試合後、奥山選手は「桜花学園は日本一のチーム。だけれど、自分たちも勝つつもりでプレイしていました。ただ相手の大きさにいつものようなプレイができず、インサイドでやられてしまいました。自分もミスが多くて、もっと工夫をすればよかったと今は思えるのですが、ブロックされるなど得点が取れませんでした」と、ゲームを冷静に振り返ります。それでも「今日のゲームはウインターカップにつながる、いい経験ができました。マッチアップした(馬瓜)ステファニーさんなどは経験が豊富で、すごく勉強になりました。まだまだ課題はたくさんあるけれど、次こそは勝てるようにチャレンジしたいです」と言葉をつなぎます。
 チームを率いる高木優子コーチが「まだ1年生だけれど、ゲームに勝つことへの意欲が図抜けています」と絶賛する逸材は、20点以上離された試合の最終盤でも、桜花学園の速攻に走って戻ってブロックしたり、試合終了の4秒前に3ポイントシュートを沈めるなど、高木コーチの評価そのままの戦う姿勢を見せてくれました。
 「20点以上離されていたけれど、勝ちたいという気持ちが残っていました。だから最後まで自分の仕事である、点を取ることを続けようと思って最後のシュートも打ちました」
 高木コーチに「まだまだやれる」と言わしめる逸材は、伸びしろも大きい。将来日本を背負って立つ可能性を十分に秘めているだけに、高校初の全国大会でのこの敗戦を、未来への大きなステップにしてほしいものです。

 その直後に行われた、聖カタリナ学園と岐阜女子の一戦でもスーパールーキーが全国デビューを果たしました。聖カタリナ学園の1年生、梅木千夏選手です。164センチとサイズは決して大きくはなく、また奥山選手ほど名の知れた選手でもありませんが、聖カタリナ学園らしい、新たな“スピードクィーン”の誕生と言っても過言ではないでしょう。
 チームを率いる後藤良太コーチも「脚力と、ドライブで切っていく力は他の選手とは違うものをもっています。1年生なのでミスもありますが、それは想定内として、思いきってプレイしてもらいたいと思っていました。大会直前の合宿ではガチガチになっていましたが、今日はのびのびとプレイしてくれましたし、声も出してチームを盛り立ててくれました」と、こちらもその活躍を絶賛していました。

聖カタリナ学園の新たなスピードクィーン、#12梅木千夏選手

聖カタリナ学園の新たなスピードクィーン、#12梅木千夏選手

 梅木選手自身はと言えば、代こそ変わったものの、昨年度のウインターカップ女王との一戦を「とても楽しかったです」と振り返る大物ぶり。話を聞くと、以前から「強い相手と対戦することが楽しみなんです。緊張もするんですけれど、今日は先輩たちが声をかけてくれて、そのおかげで自分らしいプレイができたと思います」と言います。チームは67-80で敗れましたが、そのうちの16点は梅木選手が叩き出したものです。3ポイントシュート1本のほかは、多くが後藤コーチも認めるドライブでの得点です。特に前半に見せた左ドライブは、ディフェンスに定評のある岐阜女子の選手たちでさえ止められないほどのスピードとキレでした。
 「ウインターカップに向けてはシュート力と、試合の最後まで走り負けないディフェンス力を向上させたいです。それとドライブも序盤こそ決められましたが、相手がそれに慣れてくるとワンパターンとなって守られてしまいました。だから、チェンジオブペースを使うなど、もっとドライブのバリエーションを増やしていきたいです」
 優れた運動能力だけでなく、自分の現状を冷静に分析できているところも、やはり並外れた1年生、スーパールーキーであることの現れだと言えるでしょう。

 ほんの数か月前まで「中学生」だった2人が「高校生」として挑んだ最初の全国大会で、コーチや先輩たちの助けを借りながらも、その実力をいかんなく発揮する。そうした発見もインターハイの楽しみの1つです。明日の男女準々決勝でもルーキーの活躍は見られるのか、あるいはそれを2年生、3年生が封じるのか。そんなところにも注目したいと思います。

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